土井内科クリニック
医療法人社団心英のマーク
糖尿病・内分泌内科・胃腸内科
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熊本市南区砂原町341

高血圧について

高血圧とは、どんな病気ですか?

よく「血圧が高い」といいますが、どのような状態なのでしょうか?
血圧が高いのを放っておくと、何が悪いのでしょうか? 高血圧とは、血圧の高い状態が長い間続くことによって、全身の血管の動脈硬化が進んでくる病気をいいます。
動脈硬化が進んでくると、そうでない方と比べて、脳梗塞や心筋梗塞、腎臓病などの血管の病気がより起きやすくなります。
動脈硬化それ自体は自覚症状なく進行しますが、脳梗塞や心筋梗塞は死亡の原因や重大な合併症を残す病気で、一旦起きてしまうと 元の状態に戻すことができない、怖い病気です。

なぜ血圧は高くなるのですか?

血管は全身にくまなく張り巡らされ、中に流れているのが血液です。血液は全身に酸素と栄養を運んでいます。
胸の中央部やや左にある心臓は一分間に60-80回程度広がったり縮んだりを繰り返して全身に血液を運んでいます。
心臓から血液が送り出されることによって血管の中に生じる圧力を血圧といいます。

年齢により血管が硬くなると、必要な量の血液を行き渡らせるためにより強い力で血液を送り出すため、血圧は高くなります。
また血圧の調節には腎臓(尿を作ることで老廃物と余分な水分を外にだす臓器です)が重要で、腎臓の血の巡りが悪くなると 全身の血圧を上げることで腎臓に流れる血液量を保つ働きがあり、結果として血圧が上がります。
血圧が上がると全身の動脈硬化が進んでしまい、そのことで血圧が上がり、さらに動脈硬化が進むという悪循環に入ってしまいます。

血圧は一日の中で変動しています

一日の中で血圧は変動しています。
走ったりしている間は血圧は上がりますが、走った後しばらくすると血圧は普段より下がります。
考え事をしたり、どきどきするようなことがあるとき、血圧は上がっています。ゆっくりした気持ちでいるときやお風呂に入った後、寝る前などには血圧は下がっています。
朝起きたときは日中の活動に備える体の仕組みが働き、血圧は上がっています。
一時的に血圧が高いこと、それ自体はほとんど心配ありません。
体の他の所の異常があるとそれに反応して血圧が高くなることがありますが、一時的に血圧が高いこと自体が体に害を及ぼすことはほとんどないのです。

怖いのは、血圧が少しでも高い状態が長期間続くことです

逆に気をつけなければならないのは、いつはかっても血圧が高い、という状態が長期間続いてしまうことです。
この場合、もちろん、ご本人の自覚症状はほとんどありません。
この状態が続くと、血管はだんだん固くなり、動脈硬化が進んでしまいます。
年齢を重ねると、血圧は上がります。
塩分をとりすぎると、血圧は上がります。
太っていると血圧は上がります(メタボリックシンドロームの項をみてください)。
煙草を吸うと血圧は上がります。
規則正しく運動すると血圧は下がります。

外来での血圧と家庭での血圧

血圧は自宅で測った方がより落ち着いた状態で低くなります。
外来ではかった血圧が140/90mmHg以上のとき、家庭での血圧が135/85mmHg以上の時を高血圧と呼んでいます。
糖尿病もある場合は、外来での血圧130/80mmHg以上になったら治療を始めましょう。